2022/06/20 00:27
今年で10周年を迎える江口いちごですがこの10年間で製作してきたオリジナル衣装は10着以上あるそうです。
江口さんに
「一番のお気に入りはどれですか?」と聞こうと思ったのですが…いや待てよ。と
そんな事を聞いたらきっと不機嫌そうな顔をして
「全部」と答えるかもしれません。
「それぞれの衣装がその時のベスト衣装で優劣なんかない!」
きっとそんな感じの答えが返ってくるはずです。
僕もスタッフを続けていてようやくパターンが分かってきました。地雷は回避します。
どの演者さんもステージパフォーマンスの演出である衣装には当然気合が入ります。
しかしオリジナル衣装は決して安い買い物ではありません。専門家に発注すれば数万円~数十万円。
もちろん製作してくれる「衣装さん」も自分の名刺代わりになるため魂を込めて縫い上げてくれからこそこの価格です。
余談ですが…衣装を発注するときは「アイドル衣装図鑑」があってそれをもとにイメージを伝えているのだそう。
例えばショコラの衣装はカントリーをベースにチョコレートなイメージを絵にしてお願いしたそうです。
Baby Rabbi2の相方、倉坂くるるさんも「衣装さん」という一面がありますね。
衣装さんも「職人」ですので細部に魂が宿ると思っている方も多くお客さんにも見えないこだわりもあるようです
今日はそんな衣装さんについてお話です。
僕は何年か前、会社の都合で突然グラビアアイドルDVDの監督を任された事があります。
監督といえば聞こえはいいですが、監督兼AD兼制作進行兼リサーチャー兼…要はほぼ全てやらなければいけない何でも屋です。
それまで僕はグラビアDVDを観たことがなくノウハウはゼロ。
まずは出演者を探すところからスタートするなど素人同然の駆け出しでした。
オーディションをして、ロケ場所を探して、アポを取り、カメラマンを探して、スケジュールを組み立て台本を書く
いつのまにか会社の偉い人たちの気合が入って撮影場所がグアムになり、エアチケットの段取り、コーディネーターの手配、値段の交渉、台本の直し…(この辺の細かい話はまた後日)
右往左往のDVD制作の中でも一番苦労したのが衣装選びです。
予定している撮影場所10箇所それぞれで別の衣装に着替えます。
全部で10パターン以上の衣装を考えなきゃいけないわけです。
「監督!髪飾りはどうしますか?パーカーの下は何を着ますか?ネックレスの形はどうしますか?…」
何度「お任せします!」と言いたかったことか。パーツが多すぎる!
その時初めて衣装の大変さを知りました。
余談ですが…いちごさんはくるるさんに出会って、くるるさんが身に着けるパーツの多さに感動したそうです。
さすがコスプレイヤーさんだと申していました。
DVD制作の中で素人監督の僕が一番頼りにしたのが「衣装さん」でした。
衣装さんは撮影やステージの影に隠れがちですが実は縁の下の力持ちです。
色んなパターンの衣装を出して選択肢を広げてくれたり、その場で衣装を改造してくれたり。
そして衣装の細かい着方ももちろんですが特に関心したのが演者さんのメンタルケア。
「この衣装はこうすると可愛い」「髪型をこうすると似合う!」
プロからそう言われると自然と演者さんのテンションも上がります。
(演者さんによっては緊張や不安で泣いてしまう人もいるようです。)
映像に映るわけではありませんが衣装さんはそうやって貢献していて
衣装にはそれだけのパワーがあるからこそアイドルにとって「戦闘服」なんだと教えてもらいました。
時々アイドルやコスプレイヤーさんで衣装のパーツをコレクションしてる人がいます。
細かい部分まで気をつけてくれる人なんだなぁと勝手に思っています。
10周年ワンマンライブにもオリジナルの「新衣装」が登場します。
どんな衣装か聞いてみたら
「夏っぽい」「スタイルの良さが目立つ」「タイトめ」「青」「パーツ多め」とのこと。
「パーツが多くて失くしそうですね」
「…何年やってると思ってるんですか?(怒」
まさか地雷はここだったか…
スタッフはどの衣装も好きです。はい。
※ちなみに江口さん曰く衣装はパーツも含めて1つのフリーザーバッグに入れて管理すると失くならないとのことでした。