2022/06/23 17:39
僕がアシスタントディレクターを経験して学んだ処世術は「人に聞くこと」です。
スーパーで洗剤の場所がわからなければ自分で探すより店員さんに聞いた方が早く見つかりますし
行きたいお店の営業時間は自分で調べるより電話で聞いた方が正確で早くわかります。
「本を選ぶ」とか「レコードを探す」みたいに「たどりつくまでのプロセス」が重要じゃなければ
自分よりも知識や能力がある人にやってもらい、いかに効率化するかはとても大事な考え方だと思います。
「知らないこと」は「知らないまま」にするのではなく「知らなかったという経験」にしてしまうのが一番です。
ブログを書こうと決めた時に一番心配していたのが「ネタ不足」です。
いくらうまく繕ってもきっと質と量のバランスは難しくなってくるだろうなと
「エッジの効いた文章」を目指して始めたのにネタ選びの段階で質が下がるのはとても残念です。
いろいろ考えてみたもののネタ不足を防ぐ一番の方法は1つしかないのかなと思いました。
今日はそんなマンネリを解消のため撮影会に参加してみたお話です。
文章を書くというアウトプットを続けるならそれ以上のインプットに注力が必要です。
このインプット作業が実はなかなか大変で
毎日本を読んだり、誰かにインタビューしたり、ネットや辞書で調べてみたり…
日々新しい発見へアンテナを立て情報収集する「前向きな姿勢」が必要です。
よく「アイデアが降ってくる」みたいな表現がありますが
それはやっぱりどこかで経験しているからこそのもので、
「降ってくる」というより「湧き出てくる」ものなんだと思います。
手頃なインプットを探していたら江口さんから「撮影会に参加してみれば」という話がありました。
僕はスタッフでありながらほとんどお客さんの立場になった事はありません。
なのでその誘いが魅力的に聞こえた上とても楽しそうな匂いがしました。
結果からお伝えすると「撮影会ってめちゃくちゃ良い!」
なんだか難しい文章を書きながらも要は「楽しかったね」です。
ただ、既に現場の楽しさを知っている皆さんにどう楽しいかを説明しても浮かれたヤツの独り言になってしまうので
一応今回は「潜入」という体でどんな事を感じたかをお伝えしようかと思います。
初めて撮影会に参加してみたら…
そこにはついつい通ってしまうファン心理が隠れていました。
撮影会に参加しようと決意したものの、何をしていいのかわかりません。
誰の撮影会?
どこの撮影会?
そもそもどうやって参加までこぎつけていいのか?
1ステップ目でつまづきます。
(この1ステップ目の参入障壁はこれから集客を狙う分野の大きな課題ですね!)
そんな中、江口さんから「自分もモデルとして参加したことがある」と勧められたのが
今回参加した「フレッシュ撮影会」です。
いろんな女の子が参加する撮影会の登竜門とのこと。
知らない方に補足しておくと…
この日はセッション撮影会と呼ばれるもので区切られた大部屋の中にモデルさんが何人かいてお客さんは20人くらい。
撮影したい子の列に並び40秒間自由に撮影。撮影が終わったら再び並び直すというシステムです。
14時から22時までの間予約なしで自由に参加できるシステムだったので
14時すぎくらいに秋葉原に向かいました。
(ど頭から参加する勇気がなかったのであえて遅れ気味に)
よく江口さんファンのツイートに「今日の現場はこちら」とライブ会場の看板写真が流れてきます。
「看板なんて撮ってどうするんだ?」と思っていましたがやっとファンの気持ちが分かりました。
心がワクワクしてるともう入り口だけでテンションがあがるものなんですね。
僕もつい看板の写真を撮ってしまいました。
なぜか初めてする事って恥ずかしい気持ちがあります。
エレベーターを降りても表向きには「あーね。ここはこういうシステムね」と慣れてる感を出すのに一生懸命。
受付で「お目当ての子はいますか?」と聞かれてしばらくフリーズした後
結局「…すみません。初めて参加するのでよくわかりません。」と白旗をあげました。
やっぱりわからない事は「人に聞く」が一番です。
A4用紙5枚くらいの注意事項を店員さんが説明してくれてようやくシステムを納得。
あとは写真をバシバシ撮るだけです。
以前、ブログで「利き顔」がどうとか書きましたが実際現場に立ったらそんな事を考えられるほど冷静ではいられません!たった40秒しかないんですから!現場は戦場です。とりあえず絞り優先モードでシャッターを切りまくります。
特に印象に残ったモデルさんが3人
①とにかく列が長いAさん
お客さんが撮影したいモデルさんの列に並ぶので当然人気のある人には長い列ができます。
特に列が長かったこの方は綺麗というより可愛い感じの素朴系。
お客さんとのコミュニケーションを取るよりも常に笑顔で淡々とポージング。
大きな機材のお客さんが多くて「プロ対プロ」みたいな印象でした。
②ガチガチ緊張のBさん
この日が初めての参加というモデルさん。
ポージングとか表情とかよりも初々しさを求めて並ぶお客さん。
こういう子が成長していく様子も楽しみなのかもしれません。
③話上手なお姉さんタイプのCさん
お客さんと何気ない世間話をしながら要所要所でポージング。
たまにこの角度から撮って欲しいと頼んでくれるのはカメラ初心者も気が楽なはず。
ケータイで撮影しながらコミュニケーションを楽しみたいお客さんが多い印象。
いろんなモデルさんと比べてみると
江口さんやくるるさんはいい意味で相当な場数をこなしてきてるなと感じさせられました。
ちなみに江口さん曰く「ぎりぎり40秒じゃ終わらない世間話をする」のがたくさん並んでもらうテクニックだそうです。
周りをよく見るとお客さんにもいろんな方がいて
無言でシャッターを切り続ける人
ゴリゴリの機材を持ち込む人
携帯で連写する人
写真そっちのけでしゃべり続ける人
皆さんそれぞれの楽しみ方があって微笑ましく、そして羨ましかったです。
元々予定していた1時間を少しオーバーして終了。
1時間18分の滞在で4,500円。
10人のモデルさんを撮影しました。
40秒という時間が絶妙に楽しかったです!
今回の一番大きな収穫がお客さん達とコミュニケーションがとれたことです。
並んでる間に「そのレンズどうですか?」と声をかけてもらい
レンズの良し悪しとか光の当て具合とかカメラの値段とか…
同じ目的を持って集まった人たちなので話題も作りやすいしテンションも同調しやすい。
「遠足は帰るまでが遠足です」みたいな感覚の「ライブは帰るまでがライブです」
提供するエンターテイメント意外の時間をどう楽しんでもらうか。
僕らエンターテイメントを提供する人間は「ここ」のお客さんの感覚を大事にしなきゃいけないんだなと感じました。
「あの人がいるからライブに行こう」とか
「あそこにも寄りたいからライブに行こう」とか
ファンの細かい心理を設計するにはどうしたらいいかじっくり考えていこうと思いました。
↓今日の現場はこちら!